”若い人にも手すりが必要―――”
年配者のことでは? と思われるかもしれませんが、若い人ほど、手すりのような役割を果たす人が必要と思います。
それは、若い人が弱いからではなく、よりよく生きるために、と…(「ニーチェ曰く」)。
高齢者や弱者と呼ばれる人とは違うが、若い人ほど、社会の悪に対しての免疫がない。
若い人を狙う詐欺師も多い。
誰にも知られずに、スマホを介して高齢者と同じくらいに被害者となる人が多いことが見過ごされています。
手すりは万全ではなく(親であれ、弁護士であれ)、完全によりかかると壊れるかもしれない。
でも、手すりが方向つけてくれたり、転びそうになったときの支えになります。
弁護士の法律相談は、若い人にこそ、しっかり受けてほしいです。
さて、今日は「紛争の解きほぐし」についてです。
法律相談の中身というか、ジャンルというか、よくある難しい相談は、
気持ち、感情の絡むものです。
純粋に仕事上のトラブルや、会社間のトラブルは、ある意味ドライに対応ができます。
特に気をつけなければいけないのが、人間関係で感情面での深い対立があると思われる事案です。
依頼者の感情に無関心では、「先生、冷たい」と言われ、信頼関係が築けません。
他方、同調しすぎると、依頼者・相談者に一層強い気持ち・感情が出てきて、事件解決の調整が出来ない程、対立が深くなることがあります。
このような事案ではどのように対応すれば、良い法律相談・解決ができるのでしょうか。
①対立を緩和する
相手との衝突を分析して、実は大きな利害衝突はないこと、むしろ当方に得な事態であることなどを説明する。
②対立をずらす
真正面からの権利主張のぶつかり合いを回避させる、両立可能な主張に切り替える。
③上記以外に、もっとも相談者・依頼者が納得されるのは、「相手と違い、あなたは良識ある対応をする人です」という一言です。
相談者は、相手の感情的な主張などで疲れている場合が多く、その精神状況から実は、逃れたい、もうこりごりだ、と思っています。
同じような対立軸ではなく、相手の主張を軸を変えた視点で見てもらうと、「衝突」(対立)は本当は存在しない。
同じ感情レベルの喧嘩をすることは自分のプライドが許さない、という気持ちになります。
紛争の解きほぐしは、①②③をよく考えて行うことです。
これは何も法律相談に限ったことではなく、トラブル全般の対処法ともいえますね。