法律相談について、19回目ですーー
今日は 「報告で結ばれる依頼者と弁護士」 です。
大切な報告ーーー
事件対応がスタートすると、弁護士は、交渉の経過、進捗、相手方の見解・主張の内容等を依頼者に報告します。
つねに事態は変わるので、最新の情報連絡が必要です。
報告のポイントを挙げてみましょう。
①報告はできるだけ書面・メールで行う
口頭での連絡は聞き漏れがあるかもしれません。
長い報告や、難しい内容の報告は口頭報告に馴染みません。
→ じっくり検討してもらうには書面になります。
②報告は迅速に行う
依頼者は、交渉結果や裁判期日の結果を早く知りたいものです。
でも、ここで弁護士の悩み…
報告内容が多ければ多い程、報告書面の作成には時間がかかります。
立派な、長文の報告書を仕上げても、それが翌日報告になると、報告があるまで、依頼者はやきもきしてしまいます。
報告書作成の時間がない、長時間かかりそうだというときは
→ 後ほど書面報告をする旨をお断りして、要点だけでも電話等で報告します。
③自己が得た情報は、できるだけそのまま依頼者に伝達する
情報に、弁護士が評価を加えて報告したり憶測を加えたりすると、報告を受けた依頼者が、正確な判断をすることが難しくなります。
④分析や見通しを述べるより、現実に発生した事実を迅速に伝達する
報告をする場合に、報告するだけでなく、分析をしたり今後どのように予測されるかや、対応方針はこうしましょう等々、報告後の次の会議まで視野に入れた連絡をしたくなるものです。
依頼者の反応を聞く前に分析や評価を加えると、
危険① 依頼者の考えに予断を与える
危険② 依頼者の考えに方向付けしてしまう
→ 依頼者の意思い・意見を正確に得るための報告であることを忘れないようにします。
⑤報告にあっては守秘義務に注意する
紹介者は<第三者>です。
報告先は<依頼者>です。
身内や紹介者も、依頼者本人からすると、「第三者」です。
依頼者の承諾なく、事件の進捗情報等、事件の情報を話すと守秘義務違反となります。
ですので、紹介者への配慮をどうするかがポイントとなります。
対策①
紹介者への報告は、依頼者本人に委ねる。
対策②
依頼者と紹介者同席の場で、扱う情報の大事さと守秘義務の話をして
承諾を得るか、依頼者へ話さない旨の確認をする。
「そんなトラブル起きるのかなあ」
こういう場合が危険です。
依頼者と事件処理で対立すると、紹介者を通じてクレームを入れてくることがあります。
その場合、弁護士は紹介者に、ちゃんと仕事をしていることを理解してもらおうと、ここで、事件の状況や依頼者のことを話してしまいがちです。
紛争ネタ以外に新たな問題を起こさない細心の注意が必要です。