法律相談について、18回目ですーー
今日は 「依頼者の意思尊重」 についてです。
弁護士と依頼者の契約は委任契約を原則とします。
ですから、依頼者の意思を尊重します。
仕事を進めるにあたって、依頼者の意思に従うことを意味します。
依頼者も、正しい事実認識や、つねに正しい意思決定をするとは限りませんから、弁護士は依頼者の意思は尊重しますが、依頼者からの独立性も認められています。
依頼者の意思尊重で、最初の山場は
依頼者の最初のもっとも重要な仕事でもある事件の進め方、処理方針の 決定。
①目標・結論は依頼者が決める
自身が納得を得るための目標到達点ですから、弁護士はこれを見定めて活動する。
弁護士は依頼者の方針決定のサポートをします。
・・・ 依頼者が証拠の価値を見誤っていたり、判決等で過大な結論を期待しているなどは、実務経験上からの意見をします。
②依頼者に方針を押し付けてはならない
慎重に判断してもらうため、迷われているときは、その場での決定を求めず、検討して返事をもらう。
③選択肢のメリットとデメリットを詳細に説明
手続きを決めるなど事案の進め方でいくつかの選択肢が考えられる場合には、できる限りすべての選択肢を提示、各選択のメリットとデメリットを分かりやすく説明する。
・・・依頼者は、手続きにどのようなものがあり、その内容・特質を知らないことが多い。
④意見を求められているのに、いたずらに回避してはならない
先生の言うとおりにします、という言葉は、弁護士を信頼している分だけ、弁護士の責任も大きくなるといえます。
慎重になりますが、依頼者が何を第一の目的にして紛争解決を図りたいのかを考えて、より最善の方針を出す。
⑤ 頼者に応じたきめ細やかな配慮が必要
メール・電話等でも良いが、出来る限り、直接の面談 を開いて会議で決定する。
来所が困難なときは、日程を遅らせたとしても、直接面談を。
足が不自由であるという場合や、長期入院中には、依頼者のもとで会議を開くこともあります。
事件方針は、依頼者が、弁護士の直接面談によるサポートを受け、豊富な情報を検討したうえ決定します。