法律相談について、15回目ですーー
今日は 「相談者に知っておいてほしいこと」 です。
1 弁護士にも分からないことが多い
というより、弁護士は物知りのようで、ものを知らない。
裁判官がどんな専門的な事件でも、裁くのと同じように、弁護士も
相談や受任事件からものを知っていきます。
最初から知識として持っていると限りません。事件が入ると勉強する
ことも多いです。
2 依頼者からの情報提供と、依頼者の意思決定がなければ活動できない
弁護士職務基本規程で、依頼者から得る情報から事件の受任を考えた
り、方針を決めます。
そして、依頼者の意思をしっかり聞き、意思を尊重します。
3 弁護士にとって、「簡単な」事件はないこと
同じ事件は二つとない。
そして、同種の紛争事件であったとしても、当事者が異なれば、
まったく様相の異なる事件となります。
4 録音を取ると、弁護士は間違えた発言はできないと意識することにな
るから、かえって、よい助言を受けにくくなる。
最近は、先生録音していいですか、と、ずばり話してくる依頼者も
います。
今日来れなかった当事者の一人に会議内容を伝えるため、など、うむ、
なるほど、という場合もあります。
とはいえ、録音を意識することは避けられないので、会議での発言は、
間違えを話してはいけないと、より慎重になります。
5 事前の情報整理があると、スムーズ、かつ、的確な相談を受けることが
できる
初めて会って、突然複雑な、長期にわたる紛争の経過を話されても、
一度で把握するのは難しい。
そこで、紛争の当事者の関係図や、人の紹介、紛争の発端から今日まで
の経緯、当事者のやり取りの経過などをメモにして持参すると、弁護士
は、非常に喜びます。
6 継続相談は、できる限り間をあけないほうが、良いアドバイスを受ける
ことができる。
間が空くと、記憶喚起に時間を費やさなければならずロスが大きくなり
ます。(可能であれば)連続した相談 が、深みのある助言をしやすいで
す。